エルナード なかなか面白いシステムのRPG。

自分はスーパーファミコンのRPGが凄く好きなんですが、その中でもエルナード（エニックス/ゲームプラン21）は凄く好きです。このエルナード、とてつもなくマイナーで続編的作品のミスティックアーク（エニックス）の方が間違いなく有名ですね。

ゲームの目的は師匠のシーダから言われた世界中に散らばっているアークを見つけることです。主人公はシーダの弟子の7人から選択します。シーダの弟子はそれぞれが能力値が違い個性的です。主人公に選ばなかったキャラクターは仲間にできたり、敵に回ったり、仲間になっていても裏切ったりすることもあり、この辺りが非常に斬新でした。パーティーは最高2人と少ないですが、役割を最小限に絞ることによって独特の戦略が出ていたと思います。

　

また、町の外ではレーダーによってリアルタイムで敵の動きが分かったりするのも新しかったですね。立ち止まっているとエンカウントします。エンカウントエフェクトは拡大縮小が上手く使われていて立体的で敵・味方共に早く良く動くアニメーション、爽快感のある体力ゲージで最初は戦闘が楽しみで仕方ありませんでした。戦闘ではガードすると次のターンの攻撃力が2倍になるのを知らないと結構苦戦するかもです。アークはアイテムとして使うことも可能で、戦闘を有利に運ぶのに一役買ってくれます。

　

ボス戦は凄く派手です。曲もカッコイイ！！

　

ダンジョンでの戦闘曲が変わるのも良かったですね。

　

しかし良いところだけではなく、少し困ったところもあるんです。敵キャラクターの総数が多くなく、色違いがそこそこ多いこと。アニメーションの関係もあると思うのですが、同時期の他のRPGと比べても敵の種類は少なかったと思います。

次にイベントが少ないこと。ほとんどのイベントがアークを入手するためにボスを倒すなので、主人公を選択できる割にはほとんど同じイベントを辿ることになります。そう、この部分はロマンシングサガ1（スクウェア）に似ているのですが前述の通り敵キャラクターの種類が少ないせいで少し単調さを感じてしまいました。最後にイベントを進めるためにそこそこの回数戦闘をしなくてはいけないという部分でした。あとは登場人物で物語の核となるキャラが少なすぎることでしょうか。主人公の師であるシーダを除けば、暗殺者のパイソンとラスボスくらいのような気がします。

　

このパイソン、クリアまでに3回戦います。2回目に会うときはレッドパイソンという名前になっていたりして少しファイナルファンタジー5（スクウェア）のギルガメッシュな感じになりそうなキャラだったのになんか普通に退場していくのが残念でした。

しかしアークをすべて集めた後に起こるイベントは中々見どころがあり、絶望的な状況の終盤の空気は魅せるところがありました。残念だったのはラスボスのグラフィックがその前のボスの色違いだったり、戦闘曲がボスの曲だったりすることろでしょうか。この辺り少し記憶が曖昧なので間違っていたらすみません……。

そして約2年後に続編的作品ミスティックアークがリリースされます。こちらはこのエルナードと同じく開発会社のプロデュースが開発しており、キャラクターデザインには山田章博氏を採用し、パッケージから雰囲気抜群になって、ゲームボリュームもシステムも凄いことになっており、不満と言えばエンカウントの時が普通のRPGのようにエフェクト後暗転して戦闘画面になることくらいでしょうか。こちらは総合的な完成度が非常に高くスーパーファミコンのRPGの代表作と言っても過言ではないでしょう。

ただ、エルナードは粗削りながらも魅力的なゲームで、たまに遊びたくなってしまうんです……。毎度主人公を変えて最初のボス辺りで飽きてしまうのですが。こういう遊び方も悪くないと思いました。魔法使いキャラのエスナで一人旅をするとかなり難易度の高い冒険が楽しめると思います。